夕景エンカウンター

はぁ、とため息を吐く。

まばらな人の影、高架橋の途中。

時刻は16時と14分頃。

なんだか文字盤へ綺麗に針が乗り切らないところが今の自分らしいなと左腕を揺らした。

17時には到着するだろうか。

私は今日、死のうと思った。

なんというか今朝「今日は死ぬには良い日だな。」と

そう思えたから。

最低限人に迷惑が掛からないと良いと私は高所からの墜落死を望んだ。

学校が終わり北へ進んだ所に立ち入り禁止になった廃墟ビルがある。

心霊スポットとして或る程度人が来ていたのも昔の話で、今は本当に誰も寄り付かない寂しい場所になっている。

あそこならまぁ、誰かに迷惑をかけることもあるまい。

初めて見つけてくれる人と、警察の方には申し訳ないがー、本当に生きる意味などなくて抜け殻のように彷徨うのなら明日を求める意味などないのだから。

と視線を前に戻した。

そこに彼女は立っている。

先ほどまでのまばらな人影はない。

慌てて時計に目をやる